「蕎麦切 宮下 三田綱町」 蕎麦の話 季節の移り変わり 賄い ランチ情報 そば屋で一杯
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蕎麦切 宮下 三田綱町
「合い焼き」
蕎麦屋の肴で唯一こってりの鴨焼き
脂が旨い
てかてかと表面を覆う脂
焼きあがった鴨は
香りと共に運ばれてくる
葱の香りも添えて
焼きあがったばかりの鴨は
いかにも「旨いよ」の主張をしている
にじみ出た鴨の脂と肉汁が表面を覆っている
ゆっくりと流れている
共に焼かれた葱も覆っている
まずは鴨から食べる
葱を背負わせて一緒に食べるのもいいが
まずは鴨を楽しむ
熱いのは分かっているが
一口に食べる
前歯で硬さや熱さを調べるのもいいが
舌に乗せ口の奥に運び奥歯で噛みしめる
程良い肉の反発があり
鴨肉の硬すぎもなく軟らか過ぎもしない食感があごに伝わってくる
口の中の片側だけが幸せの味に喜びを感じる
反対側にも鴨を送って噛む
口いっぱいに幸せな味が広がる
そば前の純米辛口「浦霞」を呑む
口の中の鴨の脂が洗い流されながらも
幸せな鴨の味は残っているかも
蕎麦切 宮下 三田綱町
「焼き海苔」
蕎麦屋の海苔はいい
寿司屋の海苔は主役なることはない
鉄火巻も太巻も軍艦巻も爆弾も海苔が無くては成立しないが
主役ではない
脇役でもない所を見ると共演者の位置づけ位か
蕎麦屋の海苔は主役である
焼き海苔を頼むと焼き海苔しか出てこない
マグロもご飯も納豆もでてこない
映画なら
タイトル「焼き海苔」
ロールバックには
主演 「海苔」
と間違いなくのる
海苔の命は儚く短い
海より上げられた海苔は傷みやすい
哀れに思ったかはどうか
手漉き和紙よろしく
すのこにとり、キラキラと神々しく輝く板海苔に生まれ変わる
この板海苔を江戸のころ
蕎麦屋の二階で
旦那衆がもっと旨く粋に焼き海苔を食べられないかと思案する
越後屋さんも「おぬしも悪だの~」と言われながらいたかもしれない
そこで「焙炉」~ほいろ~なる物が誕生する
粋だね~
和紙を張った中敷きに海苔を入れ下からみやこ炭であぶる
ゆったりした時の流れと香りを楽しむ
風流だね~
蕎麦屋の焼き海苔には時の流れと風流と粋がある
パリッと粋に
クイッと一杯いきたいもんだね
ゴールデンウィーク最終日
行楽も終わり
あ~疲れた
疲れているのは奥方も同じ
てんで、今晩はチャチャッと軽く済ませようと
蕎麦屋に行くことになる
まずは冷えたビールをキューと
うめ~
と、一声発する
蕎麦味噌を舐めながら
おぅ亭主
お勧めの酒はなんだ
純米の「越の華」なんかいかがです
じゃー それもらおうか
つまみは蕎麦掻きをくんな
酒が運ばれてくる間にライトアップされている庭に目を移し
昨晩の旅館の若女将は艶ぽかったな~
なめーは「おより」とかいったかな
などと想いを廻らしていると
ちょっとあんた
さっきからなにボ~としてんだよ
薄笑み浮かべてきみわるいよ~ この人は
向かいに座っているかかあの声に現実に引き戻される
おっと 酒が来た
なってんだっけ この酒は
ん~ん
いい酒だ!
襟元がスーとしていて
小股が切れあがっているところが
何ともいえね
馬鹿だねこの人は
酒に襟元とか小股があるもんかね
へいおまち
蕎麦掻きがきたよ
またいいね
ぽちゃりとして
すべすべで真っ白ときた
どうかしちまったよ
ざらざらで蕎麦色してるよ
てなことがありまして
締めはセイロで
そばにおよりなんね・・・
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